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【ベトナム】TPP加盟、ベトナムの労働法制がこう変わる(4)~企業外労働組合と外部介入の実態

配信:2016-02-16

<前回から続く>

 
 前回は、経営者目線から、日本式の労使協調路線を取る企業内労働組合について述べたが、ここからは一旦目線を外に向け、「企業外労働組合」と外部介入を取り上げてみたい。

 
●情報交換の不利益

 
 「企業外労働組合」という名称は存在しない。組織形態からいうと、産業別組合(連合)や地域別組合(連合)、複数企業を跨ぐ組合(連合)、複数組合による連合などがある。便宜上、これらを一括して「企業外労働組合」と呼ぶ。

 
 経営者目線からいうと、企業外労働組合ほど都合の悪いものはない。

 
 まず、情報交換の不利益がある。たとえば、昇給の労使交渉。企業内組合なら、単発的に外部から賃金情報を仕入れることがあっても、基本的に労使交渉は社内で完結する。だが、企業外組合となると、いろんな企業の労働者メンバーが混在しているために、各社の賃金情報が飛び交って乱舞する。

 
 そこで、必ず相対的高い賃金と良い労働条件の企業を事例として引っ張り出し、それを根拠に賃上げの要求を突き付けてくる。産業別組合なら同業他社から、地域別組合なら特定地域(工業団地など)の企業から、あるいは複数企業を跨ぐ組合連合なら数多くの企業の中から、賃金水準や昇給水準の上位社を引き合いに出して交渉を仕掛けてくるだろう。

 
 情報化社会の副作用というか、その反動を食らう場面である。

 
●権利が利権になる時代、団交とストの逆用
●海外労働団体の支援・介入
●いろんな利害関係者の介入
  ・・・など。

 
レポート全文閲覧は、顧客向け「ERISベトナム経営レポート」第6号(2016年2月15日)。
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